ここあ

7歳と半年で旅立ったフェレットの思い出

副腎腫瘍にインスリノーマ、7年半よく頑張りました。

今朝早朝3:15頃、ここあは息を引き取った。火葬を終えてもなお実感が持てず、事実を認められないでいる。

 

ここあとの出会い

2013年の夏、ここあと出会った。

ペットショップのフェレ達の中で二番目に安い価格で売られていたここあ。指を近づけると懐っこくペロペロと舐め返してくれたここあ。この子だ、と直感的に思った。

ちゃんとトイレの場所を守ることにとても驚いた。この頃はやはり噛み癖があったが、一年ほどで無くなった。食事はふやかしフードに粉ミルク。とにかくやんちゃでマイペースな子だった。

f:id:uraferrecoco:20201122223551j:image   f:id:uraferrecoco:20201122223600j:image小さいね

 

副腎腫瘍の診断

すくすくと育ったここあ、4歳の夏、背中、後頭部、しっぽの毛が薄くなり徐々に抜け始め、赤い地肌が見えるように。とても痛々しく見えたが、本人はいつも通り元気そう。陰部の腫れも見られ、病院で副腎腫瘍の診断を受けた。リュープリンという注射を打ってもらうと1、2ヶ月で短い毛が生え始め、4、5ヶ月で元通りに。その後の副腎疾患の症状は酷くなかった為、先生と相談の元数ヶ月に一度注射を打ってもらった。

f:id:uraferrecoco:20201122224511j:image   f:id:uraferrecoco:20201122224515j:image回復力すごい

 

インスリノーマ発症

高齢期に差し掛かったここあ、7歳の誕生日のちょうど一週間前。昼からずっと放していたのに夜中になっても毛布から出てこず、覗いてみるとぐったりしてる。ヨダレを垂らし反応もイマイチ、少し痙攣していた。明らかにいつもと違う。ネットで色々調べた結果、“インスリノーマ”の可能性が高い、と。

バイトやオリゴ糖を舐めさせ、暫くすると起き上がりフラフラ歩いた。後ろ足に力が入らない様子。自力でハンモックに戻った。

そういえば左目が開きにくい日が続いていて、昨日三日振りに見たここあの目が赤茶色に見えた。(いつもは黒い)因果関係は分からないけど、いつもとは明らかに様子が違った。

翌日病院でステロイド剤を処方され一日二回与え続けることに。苦くないようで大人しく飲んだ。その後は時折グッタリと床に伏せてしまうこともあったが、オリゴ糖を舐めさせると回復した。酷い発作を起こす事なく無事7歳を迎えた。

 

そして昨日、一度目の発作から半年経った11月20日。朝起きてこなかったここあ、お昼に様子を見に行くといつも通りケージから出て、膝に乗ってくるここあさん。薬もしっかりのんだ。その後ご飯を食べすぐハンモックに戻る。

夜0時頃、何度もトイレに行くそぶりを見せるも、何も出ない。

日付を超えた1:30頃、グッタリしたここあ。発作だ、と思った。オリゴ糖やバイトを舐めさせようとするも前のように口を開かない。ネットに書いてあった通り、歯茎にすりこんだ。体温がこれ以上下がらないよう毛布にくるんだ。流石にこの時間だと夜間診療も受け付けていない。やれる事がなかった。

AM2:30、呼吸のたびに異音がした。口の音なのか、鼻の音なのか、それとも体内か、分からなかった。苦しそうにキューと何度も鳴いた。その内呼びかけたり、撫でたり、バイトを嗅がしても反応しなくなった。

AM2:50、目を見開き動かない。呼吸はあるものの、意識が無いのだろうと思った。

AM3:00、目と口を大きく開けたまま固まった。今まで見たことない顔を見せたのが少し怖かった。もう長くはないだろうと思い、母を起こした。痙攣を起こし、頭を抱え込みブルブルと振る→ピンと伸びるの繰り返し。とにかく撫で続けた。

 

そして3:15頃、痙攣が止まり呼吸も止まった。呼吸が止まる直前、見開いていた目がゆっくり瞑られ、顔を上に向け、ハッと最後に息をした。

呼吸が止まっても体はまだ温かく、柔らかかった。暫くしてここあの体を持ち上げ、顔を見た。両目とも開いており口も半開き。まだ生きているようだった。笑っているように見えた。死後硬直が始まり手がかたくなっていた。全身が固まってしまう前に、いつもの寝相のように、丸くして毛布に戻した。

 

3時間前は歩き回っていたのに。何も考えたくない。受け止められない。

 

その後

亡くなって12時間後には動物霊園で火葬を済ませていた。自分でも早すぎると思った。背中の白い毛と茶色の毛、大好きだった腕辺りの毛をハサミで切り、残しておくことにした。

お経を上げてもらい、火葬に入る前の最後のお別れ。呼吸が止まった後もなお生きているように見えたここあは死んだのだと、この時初めて思った。少量のカリカリを側におき、バイトを口元に塗った。長年悩まされていたフェレット特有の匂いともお別れだった。思う存分嗅いだ。あれ、控えめだね?もっと強烈な匂いプンプンさせてたのに。

その後お骨拾いをした。小さな骨だった。爪の骨、歯の骨もしっかり残っていた。骨壷に入れられ、もともと小柄なここあは、もっと小さくなって家に帰ってきた。

 

ここあがインスリノーマの発作を起こしたのは2度だけだった。一度目は発症に気がついた時、二度目が最後になった。あまり弱った姿を見せる事がなかったここあ、発作の時は死を覚悟した。深夜に発作を起こし、病院に連れて行ってあげることも出来ず、ただ苦しんでいるここあを見ていることしか出来なかった。もっと早く体調の変化に気づいていたら...。お昼にもっと遊んでいれば...。昨日病院に行っていれば...。(実はインスリとは別に首あたりに出来た腫瘍の治療で病院に通っていた。親身な先生のお陰もあり亡くなる2日前その腫瘍がぽろっと取れたため、病院に報告に行こうと思っていたのだ。)救えた命だったかもしれない。

ごめん。浮かぶのはそればかり。自分を責めて余計辛くなる。あるフェレ飼いさんがブログで”意識のないフェレットは痛みや苦しみを感じていない“と仰っていた。ここあは寿命を全うしたのだと思うことにした。ごめんじゃなくてありがとう、と伝えるべきかな。

 

一匹飼いということもあり、マイペースな子だった。自分の名前を覚えず(覚えさせない私が悪かったのか)、怒ると逆ギレ、何年経っても懐かなかった。そんな子がこの一年で人(フェレット)が変わったように甘えん坊になり、必ず側で寝るようになっていた。嬉しい反面どこか不安だった。何か伝えたい事があるのかと。自分の体の状態を分かっていたのかな。静かに進行していた病気、しかし弱った姿をほとんど見せず、膝の上に乗り撫でるとクククッと鳴いた。あの小さい体でよく頑張ったと思う。最後までよく生きてくれたと思う。

 

ずっと愛してるよ、ありがとう。

愛してくれてありがとう。

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